ポケモンがいる公園など映えスポットが盛りだくさん!郡山市を歩くならモバイルバッテリー必須【郡山市の旅#1ー観光編】

 意外な名物から興味を引く観光スポットまで、東日本にはまだ知られていない魅力がたくさん。実際につなぐ旅編集部が東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポート。今回は福島県郡山市の旅の様子をお届けします!

 郡山市のサイトによると、仙台に次いで東北地方・第2位の経済規模を誇る街なんだそう。ということは企業の支社などが多いんでしょうか。初めて訪れるので楽しみ!
グルメ編はこちらから)

プチ旅にもいい距離感の郡山市

 大宮駅から郡山駅は東北新幹線で約55分。1時間以内で行けちゃうので、「ちょっと遠出したいな」という気分の時にぴったりです。郡山駅では、私と一緒にまさにそんな「プチ旅」っぽい方やサラリーマンの方が降りていきました。思っていたより降りる人が多くて、さすが東北第2位の経済都市。

どんなものに出会えるか楽しみ

郡山駅西口。福島県内で最も高いビル「ビックアイ」がお出迎え(写真左)

駅前の広場で、緑のドアと手形を発見

アーティスト・GRe4N BOYZのモニュメントでした。福島県で結成したからか!

ポケモンたちが可愛すぎ!写真を撮り過ぎてバッテリーがなくなるレベル

 郡山市で、ぜひ行ってみたかったのが「ラッキー公園 in こおりやまし」。ここは、ふくしま応援ポケモンの「ラッキー」の遊具がある公園で、以前ネットで記事を見かけて以来気になっていました。ラッキー公園は「開成山公園」内にあるとのことで、さっそく向かいます。

開成山公園は桜の名所の一つ。私が訪れたときはまだ開花前の時期でしたが、園内にも桜の木がたくさんありました

春はこんなにきれいな桜を見ることができます!!

 開成山公園はとても広く、池があったり芝生があったりとのんびり過ごせそうな雰囲気。遊具エリアもあり、小さなお子さんが遊ぶエリアが分かれていて、安全に利用できるところも良いですね。

芝生エリアでは春休み中の学生が遊んでいました

犬の散歩をしている方もたくさん。こんな公園が近くにあったら私も散歩でよく利用すると思う

ラッキー公園の看板を発見!

 ラッキー公園は遊具エリアのほうにあり、親子連れでにぎわっていました。私は大きいラッキーがいることしか知らなかったのですが、ほかにもブランコや砂場、スイングする遊具など至るところにベロリンガやププリンなどラッキー以外のピンク色のポケモンがいて、テンションが上がる!

巨大なラッキーの正体は2階建ての複合遊具!

ラッキーしかいないと思っていたので意外な出会いに興奮しました

 ラッキー公園では小さなお子さんたちが何人も楽しんでいて、改めてポケモンの愛され力を感じました。また、ポケモンをあまり知らないと思われる方が「これがラッキー?」と言いながらお友達同士で写真を撮り合っていたのも、ほのぼのしてとても良かった。つい撮りたくなっちゃいますよね。

ベンチの足には隠れポケモン(?)なのかピカチュウを発見

ラッキー公園 in こおりやまし
住所:福島県郡山市開成1-5(開成山公園内)
HP:https://www.city.koriyama.lg.jp/soshiki/132/3252.html
アクセス:「開成山」バス停から徒歩5分

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郡山市を発展に導いたプロジェクト「安積疏水」の軌跡を追う

 そんな開成山公園の広場には、大きな石の塔が建っていました。塔の下には「開拓者の群像」というタイトルと共に、複数人のブロンズ像が。これは日本三大疏水の一つ「安積疏水(あさかそすい)」というプロジェクトにかかわった方々の群像です。

ものすごく大きい塔で、後から調べたら高さ17.6メートルもありました

 安積疏水とは、安積原野(郡山盆地)を切り開いて猪苗代湖から水を引き開拓した大プロジェクト。郡山市のある安積原野は田畑として開墾されていない土地が多くありましたが、明治時代、内務卿・大久保利通は、日本の発展には開拓と産業振興が急務と考えて開拓に着手しました。その結果、米の収穫量は10倍以上になるなど、郡山市は穀倉地域へと変貌。また、疏水の落差を発電に活かす「沼上発電所」によって当時の最先端技術を採用した長距離高圧送電に成功したことで、製糸や紡績など郡山の産業が発展していきます。

開成山公園にあった看板。猪苗代湖とはかなりの距離があり、水を引くのは相当大変だっただろうと想像できます…

 開成山公園に向かう途中で寄り道した「麓山公園(はやまこうえん)」でも、「安積疏水麓山の飛瀑」という滝を見つけました。

麓山公園の「安積疏水麓山の飛瀑」。安積疏水通水時には、多くの人々がこの場所で完成を祝ったそうです ※冬季なので水は止まっていました

「滝を作ることで水の流れを緩やかにして、水力発電などに利用した」ということが書いてありました。水路ができたことで田畑も作れて発電もできたら、そりゃあ地域は発展しますよね

麓山公園は庭園跡に作られていて、今もその雰囲気が残っています

 「郡山市開成館」では、そんな大プロジェクトの安積疏水にかかわった人々の事務所や家を見ることができます。スタッフの橋本さんが、「残念ながら一番の目玉である事務所『開成館』は2021年の福島県沖地震で被害を受けて、2028年度の完成に向けて現在修復中なんです。開成館は地元の大工さんたちが見よう見まねで作った西洋風の建物なんですよ」と説明してくれました。開成社が明治天皇に拝謁した際には燕尾服にシルクハットを着用していたとのことで、西洋文化にもなじみがあったのかもしれません。見よう見まねで作ったということは、きっと面白い違和感がある建物だったんじゃないでしょうか。見たかったなー。

今は開成館の3階部分だけがチラ見え。漆喰の壁が崩れるなど、被害が大きかったんだそう

 開成館の次に目立つのが、開拓の指揮を執る職員が住んでいた「安積開拓官舎(旧立岩一郎邸)」。実際に中に入ることができ、家の中には開拓に関連した資料が展示してありました。

官舎というだけあって立派な建物

茅葺きならぬ板葺きの屋根。初めて見たかも

中は結構広め。明るい水色のふすまがちょっと西洋風で、いいアクセント

2階のベランダから外を見たところ。ここから開拓が進む様子を見ていたのかもしれないですね

 官舎内に展示されていた資料に、「開拓後、灌漑用の沼の周囲に桜を植えた」という内容のものがありました。「開成山公園には行きましたか?」と橋本さん。なんでも資料に描かれているその沼と桜は、園内にある五十鈴湖(いすずこ)と桜とのこと。大きな池だなあと思っていましたが、そういう理由だったんですね。

開成山公園の五十鈴湖。園内が桜の名所になっていたことにも納得です

 実際に開拓に携わったのは、主に全国から集まった旧士族の人々とその家族の方々。領地がなくなり、刀を捨てざるを得なくなった元武士たちが、生活するために郡山市に入植しました。しかし入植者の中にもランクがあり、家にもその差が如実に現れています。武士の時代にも階級はありましたし、入植してもそれは変わらないんですね。生活が苦しい人もたくさんいたんだろうと思うといたたまれない気持ちになります。

鳥取からの入植者である旧坪内家は当時の入植者の中で最高ランクの家。10畳の板の間と、奥に6畳の座敷が2つあって結構広い

旧松山藩士族(愛媛)の旧小山家の内部。一般的な入植者の家で、5畳の板の間と8畳の座敷という造りで坪内家の半分くらいの広さ。当初は囲炉裏がなく、入植後に設置したと考えられているそうで、郡山の寒い冬に耐え切れなかったのかもなあ…

郡山市開成館
住所:福島県郡山市開成3-3-7
定休日:毎週月曜日、年末年始(12月28日~1月4日/月曜日が祝日の時は翌日)
HP:https://www.bunka-manabi.or.jp/kaiseikan/
アクセス:「開成館」バス停から徒歩3分

過去と未来が交錯する公園

 小さい子供たちから大人までが心地よく過ごせる広い公園、と思いきや、そこには郡山市を開拓した人々の軌跡がありました。今の子供たちが純粋に楽しめるポケモンたちがいて、市民の皆さんの生活を見守っている感じがするところも良かったです。満開の桜も見てみたかった!
グルメ編はこちらから)

園内にはポケモンが描かれたマンホールもあったらしいのですが気付かず! 写真は砂場にいたピンプクです

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