意外な名物から興味を引く観光スポットまで、東日本にはまだ知られていない魅力がたくさん。実際につなぐ旅編集部が東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポート。今回は福島県郡山市の旅の様子をお届けします!
郡山市のサイトによると、仙台に次いで東北地方・第2位の経済規模を誇る街なんだそう。ということは企業の支社などが多いんでしょうか。初めて訪れるので楽しみ!
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プチ旅にもいい距離感の郡山市
大宮駅から郡山駅は東北新幹線で約55分。1時間以内で行けちゃうので、「ちょっと遠出したいな」という気分の時にぴったりです。郡山駅では、私と一緒にまさにそんな「プチ旅」っぽい方やサラリーマンの方が降りていきました。思っていたより降りる人が多くて、さすが東北第2位の経済都市。
ポケモンたちが可愛すぎ!写真を撮り過ぎてバッテリーがなくなるレベル
郡山市で、ぜひ行ってみたかったのが「ラッキー公園 in こおりやまし」。ここは、ふくしま応援ポケモンの「ラッキー」の遊具がある公園で、以前ネットで記事を見かけて以来気になっていました。ラッキー公園は「開成山公園」内にあるとのことで、さっそく向かいます。
開成山公園はとても広く、池があったり芝生があったりとのんびり過ごせそうな雰囲気。遊具エリアもあり、小さなお子さんが遊ぶエリアが分かれていて、安全に利用できるところも良いですね。
ラッキー公園は遊具エリアのほうにあり、親子連れでにぎわっていました。私は大きいラッキーがいることしか知らなかったのですが、ほかにもブランコや砂場、スイングする遊具など至るところにベロリンガやププリンなどラッキー以外のピンク色のポケモンがいて、テンションが上がる!
ラッキー公園では小さなお子さんたちが何人も楽しんでいて、改めてポケモンの愛され力を感じました。また、ポケモンをあまり知らないと思われる方が「これがラッキー?」と言いながらお友達同士で写真を撮り合っていたのも、ほのぼのしてとても良かった。つい撮りたくなっちゃいますよね。
ラッキー公園 in こおりやまし
住所:福島県郡山市開成1-5(開成山公園内)
HP:https://www.city.koriyama.lg.jp/soshiki/132/3252.html
アクセス:「開成山」バス停から徒歩5分
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郡山市を発展に導いたプロジェクト「安積疏水」の軌跡を追う
そんな開成山公園の広場には、大きな石の塔が建っていました。塔の下には「開拓者の群像」というタイトルと共に、複数人のブロンズ像が。これは日本三大疏水の一つ「安積疏水(あさかそすい)」というプロジェクトにかかわった方々の群像です。
安積疏水とは、安積原野(郡山盆地)を切り開いて猪苗代湖から水を引き開拓した大プロジェクト。郡山市のある安積原野は田畑として開墾されていない土地が多くありましたが、明治時代、内務卿・大久保利通は、日本の発展には開拓と産業振興が急務と考えて開拓に着手しました。その結果、米の収穫量は10倍以上になるなど、郡山市は穀倉地域へと変貌。また、疏水の落差を発電に活かす「沼上発電所」によって当時の最先端技術を採用した長距離高圧送電に成功したことで、製糸や紡績など郡山の産業が発展していきます。
開成山公園に向かう途中で寄り道した「麓山公園(はやまこうえん)」でも、「安積疏水麓山の飛瀑」という滝を見つけました。
「郡山市開成館」では、そんな大プロジェクトの安積疏水にかかわった人々の事務所や家を見ることができます。スタッフの橋本さんが、「残念ながら一番の目玉である事務所『開成館』は2021年の福島県沖地震で被害を受けて、2028年度の完成に向けて現在修復中なんです。開成館は地元の大工さんたちが見よう見まねで作った西洋風の建物なんですよ」と説明してくれました。開成社が明治天皇に拝謁した際には燕尾服にシルクハットを着用していたとのことで、西洋文化にもなじみがあったのかもしれません。見よう見まねで作ったということは、きっと面白い違和感がある建物だったんじゃないでしょうか。見たかったなー。
開成館の次に目立つのが、開拓の指揮を執る職員が住んでいた「安積開拓官舎(旧立岩一郎邸)」。実際に中に入ることができ、家の中には開拓に関連した資料が展示してありました。
官舎内に展示されていた資料に、「開拓後、灌漑用の沼の周囲に桜を植えた」という内容のものがありました。「開成山公園には行きましたか?」と橋本さん。なんでも資料に描かれているその沼と桜は、園内にある五十鈴湖(いすずこ)と桜とのこと。大きな池だなあと思っていましたが、そういう理由だったんですね。
実際に開拓に携わったのは、主に全国から集まった旧士族の人々とその家族の方々。領地がなくなり、刀を捨てざるを得なくなった元武士たちが、生活するために郡山市に入植しました。しかし入植者の中にもランクがあり、家にもその差が如実に現れています。武士の時代にも階級はありましたし、入植してもそれは変わらないんですね。生活が苦しい人もたくさんいたんだろうと思うといたたまれない気持ちになります。

旧松山藩士族(愛媛)の旧小山家の内部。一般的な入植者の家で、5畳の板の間と8畳の座敷という造りで坪内家の半分くらいの広さ。当初は囲炉裏がなく、入植後に設置したと考えられているそうで、郡山の寒い冬に耐え切れなかったのかもなあ…
郡山市開成館
住所:福島県郡山市開成3-3-7
定休日:毎週月曜日、年末年始(12月28日~1月4日/月曜日が祝日の時は翌日)
HP:https://www.bunka-manabi.or.jp/kaiseikan/
アクセス:「開成館」バス停から徒歩3分
過去と未来が交錯する公園
小さい子供たちから大人までが心地よく過ごせる広い公園、と思いきや、そこには郡山市を開拓した人々の軌跡がありました。今の子供たちが純粋に楽しめるポケモンたちがいて、市民の皆さんの生活を見守っている感じがするところも良かったです。満開の桜も見てみたかった!
(グルメ編はこちらから)
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