私「日本一美味しいまんじゅう」友人「過去一うまいお菓子」郡山銘菓は日本一しかない【郡山市の旅#2ーグルメ編】

 意外な名物から興味を引く観光スポットまで、東日本にはまだ知られていない魅力がたくさん。実際につなぐ旅編集部が東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポート。今回は福島県郡山市の旅の様子をお届けします!

 郡山市には、私が一番美味しいと思っている薄皮まんじゅう屋さんがあるんです。ぜひ本場で買いたいと思います!
観光編はこちらから)

もはやあんこそのもの!私が日本一美味しいと思っているまんじゅう

9割以上あんこな気がする薄皮まんじゅう。こしあん、つぶあん、9月頃まで限定販売している宇治抹茶の3種類があります。写真はこしあんと宇治抹茶

 私が個人的に、まんじゅう界で一番美味しいと思っているのが「柏屋」の「薄皮饅頭」。普段まんじゅうを食べる機会はそこまでないものの、温泉地に行くとほぼ絶対温泉まんじゅうを食べています。が、今まで柏屋の薄皮まんじゅうを超えるものに出会ったことがありません。改めて調べてみると「日本三大まんじゅう」の一つに数えられているそうで、どおりで美味しいわけだ!と納得しました。なるほどね!

 本来なら本店に伺いたいところですが、今回は開成店に足を運びました。なぜかというと、開成店でのみ「薄皮饅頭手づくり体験」ができるからです。

饅頭職人の熊田守克さんが教えてくれます

 生地にあんこを詰める作業が体験でき、事前予約が必要ですが空きがあれば当日の申し込みもOK。無料貸し出しのはんてんやエプロンを身に着けて、いざ!

 生地が付くのを防ぐために手のひらに粉を付け、軽く生地を広げたらあんこを詰めていきます。

熊田さんが目の前でアドバイスをくれるので安心

 「へー」と思ったのが、あんこをただ乗せるだけでなく、詰めることで生地を薄く広げていく点。餃子のように「生地にあんこを乗せて包む」という作業かと思っていたのですが、違うんですね。しかも信じられないかもしれませんが、「まだ入るの!?」と驚くぐらい無限にあんこが入るんですよ。

「本当に?まだ入りますか!?」と何度も聞きながらあんこを詰める私

 約8分間蒸したら完成です。ほかほかの薄皮まんじゅうはその場で食べるもよし、箱に入れて持ち帰るもよし。完成まで全部で30~40分くらいなので、ぜひ体験してみてほしい!

体験では4個作ることができます。写真右が一番最初に作ったもの、左が最後に作ったもので、だんだん腕が上達してきた

まるで売り物のような箱! このまま売れるのでは

 販売している薄皮まんじゅうを見てもらえれば分かりますが、中は本当にあんこがぎっしり。皮は繊細で主張し過ぎず、あんこをそのまま食べているような気分になります。本当に美味しいので、みんな食べてほしい。

郡山駅前の本店リニューアル記念で誕生した「嘉永もち」も美味しかったです。もちもちした生地であんこを包んだバター風味のお菓子

レモン風味のチーズタルト「檸檬(れも)」は若い方に人気だそう。さわやかなレモンの風味が感じられ、夏場は冷やして食べたい

柏屋 開成店
住所:福島県郡山市朝日1-13-5
定休日:なし
HP:https://www.usukawa.co.jp/
アクセス:「郡山市役所」バス停から徒歩2分

牛乳とベストマッチすぎる福島銘菓

 郡山市の銘菓といえば「ままどおる」ではないでしょうか。ミルクとバターの優しい風味のお菓子で、もらうとうれしいお土産トップ10に入ります。

しっとりした食感が良い。チョコ味は5月までの限定販売

 私の中でままどおるは帰省や出張、遊びに行った際の「お土産」というイメージでしたが、ままどおるを販売している「三万石」郡山本店店長の斉藤麗子さんによると「地元の方もおやつとしてよく食べていますよ」とのこと。斉藤さんは県外の出身だそうですが「初めて食べた時に“なんだかほっとする味だなあ”と思いました。ミルクとバターの風味が安心感を与えてくれるんですよね」と話してくれた通り、初めて食べても懐かしいというかノスタルジーを感じるというか、そんなお菓子です。斉藤さんと私で「めちゃくちゃ牛乳と合いますよね」と盛り上がりました。

こういうお店は女性客が来店しがちなイメージでしたが、男性客の姿もありました。お土産としてもおやつとしても、男女問わず根付いているんですね

 ままどおると人気ツートップのお菓子が、クルミ入りのあんこが入った「エキソンパイ」。しっとりしながら香ばしいパイと甘さ控えめなあんこ、クルミの食感のアクセントが効いています。

こちらも牛乳が合う味です(笑)

 三万石では和菓子も洋菓子もどちらも扱っていますが、今贈り物として人気を集めているのが「夢花(ゆめか)」。落花生と黒糖を使った甘く香ばしいおせんべいで、ひと口かじると表面にあしらわれた生姜の蜜とゴマが香ります。この大人っぽい風味はかしこまったシーンでの贈り物として使われるのもうなづけます。

大きく描かれているのは郡山市の花であり三万石のロゴにも使われている「ハナカツミ」。松尾芭蕉もハナカツミを求めて旅したんだそう

右上にある三万石のロゴ、確かにハナカツミだ

三万石 郡山本店
住所:福島県郡山市駅前2-2-13
定休日:不定休(詳しくはHPをご覧ください)
HP:https://www.sanmangoku.co.jp/
アクセス:JR郡山駅から徒歩3分

郡山市民はこの味で育ったといっても過言ではない老舗パン店

 私が気になっていたけれど食べたことがなかったのが、郡山市のご当地グルメ「クリームボックス」。小さめの食パンにミルククリームを盛ったもので、市内のパン屋さんそれぞれが独自のクリームボックスを販売しています。「クリームを塗った」ではなく「盛った」感じが特徴で、本当にそんなにこんもり盛られているのか気になっていたんですよね。

 今回訪れた「大友パン店」は、創業100年を超える老舗のパン屋さん。訪れたのは朝9時半頃でしたが、地元の方が次々と来店してパンを購入していました。大友パン店は近隣の学校に給食用のパンを卸しているとのことで、普段の生活に欠かせないお店なんですね。

お客さんの切れ間を狙って撮影。パンがどんどん売れていく…

 店主の吉田明弘さんによるとパンは200種類以上あるんだそう! スイーツ系からおかず系まで幅広いラインアップです。

 「うちのクリームボックスは、他のお店よりパンが厚めでクリームがあっさりしているところが特徴です。“パンを味わう”クリームボックスという感じでしょうか」と吉田さん。大友パン店では、温度管理が難しい「100%中種法」という作り方を取り入れることで、しっとりふわふわのパンを作っています。かなり人気のお店で、私が滞在している間、何組ものお客さんがクリームボックスを買っていました。

吉田さんはこの後すぐに配達でお店を飛び出していきました。忙しい!

写真中央がスタンダードなクリームボックス。蔵王カフェオレ味やイチゴ味もある

 私もスタンダードなクリームボックスと、お店のスタッフさんおすすめの「ハムチーズ塩フランス」を購入。近くの公園でいただくことにしました。

片手でつかめるくらいのサイズ感

 クリームはミルキーで優しい味わいで、ふわふわのパンとよく合います。中央にいくにつれてクリームの量が増え、クリーム好きにはたまりません。山型に盛られているので、中央を超えるとクリームが少なくなってきて「もう食べ終わりが近い…」とだんだんさみしい気持ちに…。

中央が一番高くなるようにクリームが盛られているのがわかるでしょうか(十字にちぎったので、写真だと左端のあたり)

ハムチーズ塩フランスは断面を何度も見てしまうくらいハムが入っていました。どこから食べてもハムに当たる

大友パン店
住所:福島県郡山市虎丸町24-9
定休日:なし(お盆と年末年始は休み)
HP:https://x.com/ootomopanten
アクセス:「虎丸」バス停から徒歩2分

早い時間から大賑わい!市内で知らない人はいない人気焼き鳥店

 地元の方々に愛されているお店があるという情報をキャッチしたので、夜はその噂の焼き鳥店「かぎや」で過ごすことにしました。なんでも、スーパーの前やお祭りで屋台を出していて、地元で知らない人はいないレベルの知名度を誇っているのだそう。

 少し早めの18時頃にお店に入ると、店内はお客さんでいっぱい! 運よくカウンターの一席が空いていたので、そこに腰掛けました。

私としては早めに来たつもりなのに、ドアの隙間から満員具合が見えてびびった

 焼き鳥専門店ですが、串焼きメニューの約半分が豚肉です。取締役専務の久保千絵さんにおすすめをたずねると「鳥レバー、豚の白もつ、豚の上ホルモン、豚のかしらですかね」とのことだったのでそちらをオーダー。

ホルモンって網で焼くものと思っていたので、串焼きなことが新鮮

 鳥レバーはくさみがなく濃厚な味わい。白もつはかなり大きめサイズで食べ応え抜群、そしてとてもジューシーで、とにかくビールが進む! このタレでもビールが飲めそう。

鳥レバーと白もつ串。串が焼きあがるのが待ちきれなくてビールを飲んでしまいました

 上ホルモンとかしらは塩でいただきます。こちらも美味しいのはもちろんなのですが、私が気になったのが皿の端にある味噌のようなもの。タレにもついてきていたのですが、塩の串焼きに付けると本当にウマい。

上ホルモンとかしら。ビールもおかわり

 この味噌の正体について久保さんに尋ねると「にんにく味噌なんですよ。2年寝かせているから、にんにくの匂いが全然気にならないんです」と回答が。確かににんにくは風味程度で、全然あの匂いがありません。にんにくを食べると自分でも分かるくらい翌日の口(というか体内)が匂いますが、この焼き鳥の翌日は全然匂いませんでした。すごい。

 食べている最中に私の隣の席が空き、女性が一人で入ってきました。その女性は地元で働いるのだそうで「一度来たいと思っていて、今日は一人で飲んでいる女性(私のこと)の姿が見えたから今だ!と思ってドアを開けました」と話してくれました。常連さんが多いですが、外からなんとなく中の様子が見えるので、一見さんでも入りやすいと思いますよ。

やきとり かぎや
住所:福島県郡山市駅前二丁目1-14
定休日:月曜
HP:https://www.instagram.com/kagiya_koriyama/
アクセス:JR郡山駅より徒歩3分

郡山に着いたら福島料理を即満喫、離れる時もギリギリまで満喫!

 地酒が飲みたいな…という時は郡山駅のエキナカにある「もりっしゅ」がおすすめです。こちらでは郡山市を含む、福島県の地酒をなんと60種類も取り揃えています。

酒瓶がおしゃれに飾られた外観が目を引きます

目移りするほどの種類!

カウンター席からは圧倒的な酒瓶が見えて興奮する

 目移りしすぎて、まずは福島の地ビール飲み比べセットを頼んで心を落ち着けることにしました。県内のブルワリー3ヵ所で作られたビールを飲み比べることができます。

左から「福島路ビール」「猪苗代地ビール」「ななくさビーヤ」。私はコクのある「ななくさビーヤ」が好み。壁には県内の観光スポットや名物が描かれたイラストがあって見ていて楽しい

 メニューはどれも福島らしさを感じるものばかりで、県内各地の地元の郷土料理を味わうことができます。郡山市の料理は何かな…とメニューを眺めると「鯉のカルパッチョ」とのことなので、こちらも追加注文。安積疏水のおかげで「鯉の養殖が盛んになった」という歴史があり、鯉料理が食べられているそうです。

どれもお酒に合いそうで悩む

スズキのような淡白な味わいで美味

 店舗を経営している森株式会社の尾田康博さんは、「鯉の甘露煮はふだんの食卓でよく出てきましたね。お酒に合う鯉料理と考えた時に、カルパッチョもありだなと思って」と話してくれました。

 「もともとお店は駅の1階にあったんですが、コロナ禍の少し前に今の場所に移りました。平日の夕方くらいは出張の前乗りしてきたサラリーマンの方や、帰る前にちょっと一杯飲みたいという方がよくいらっしゃるようになりましたね」という尾田さんの言葉通り、私が滞在している間もサラリーマンの姿がちらほら。多少酔っぱらっても、新幹線の改札階なのでぎりぎりまで飲めます(笑)。

尾田さんおすすめの「三春三角揚げ」。ふんわり香ばしく焼かれていて、添えられたピーマン味噌がよく合う

一人でのんびりグラスを傾けるお客さんも多い。福島の味が一気に楽しめるので、新幹線の乗車前後でぜひ足を運んでほしい

食と地酒 もりっしゅ
住所:福島県郡山市燧田195 JR郡山駅2F
定休日:年3回(エスパルHPより確認を)
HP:https://marp-mori.jp/
アクセス:郡山駅直結

おやつも食事も大満喫!

 銘菓からご当地グルメ、郷土料理まですっかり満喫! ままどおるはお土産として友人にプレゼントしたところ「しっとりした生地とあんを使ったお菓子の中で一番美味しい」と絶賛していました。郡山はラーメンも美味しいと聞いているので、今度はラーメンも食べに行かなくっちゃ!
観光編はこちらから)

柏屋の裏には「萬寿神社」があって、まんじゅう型の岩がありました。まんじゅうみたいにまん丸

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