第38回
源泉かけ流しに癒された肌に地鳴りのような太鼓の響きを浴びる!「つなぎ温泉」+「さんさ踊り」の夜がワンダーランド過ぎる!【盛岡市の旅#2ー温泉編】
2025年11月29日 12時00分更新
つなぐ旅編集部が実際に東日本の市町村を訪れて、「ワクワクする」シーンを体験レポート。今回は岩手県盛岡市の旅の様子をお届けします!
盛岡の魅力を語るうえで欠かせないのが、「つなぎ温泉」です。そして地元の人なら誰もが知っている太鼓と笛がダイナミックな「さんさ踊り」。そのつなぎ温泉でさんさ踊りが見られると聞き、体験してきました!(グルメ編はこちらから)
芦ノ湖にも似た素晴らしい景観、御所湖を望む「つなぎ温泉」
盛岡駅から車で約20~30分で行ける「つなぎ温泉」は、盛岡市内で唯一の温泉街で、旅館が10軒集まっています。温泉街の目の前には、ダムによって作られた人造湖「御所湖」が広がり、その景色は箱根の芦ノ湖にも似た素晴らしい景観です。つなぎ温泉はゆで卵のような硫黄の匂いが特徴で、アルカリ度が高いため、石鹸のようにヌルヌルした泉質が肌に優しいそうです。
つなぎ温泉の旅館の中で最も規模が大きいのが「ホテル紫苑」。大浴場「ひとりじめの湯」と100%源泉かけ流し「南部曲り家の湯」の2種類の温泉があります。一般的に温泉地では、多くの旅館が循環式を採用していますが、ホテル紫苑は自家源泉を掘り、100%源泉かけ流しのお風呂を提供しているそうです。
迫力満点!つなぎ温泉の「さんさ踊り」はほぼ毎日公演
「盛岡さんさ踊り」は毎年8月1日から4日間、盛岡市の中央通りで開催され、延べ3万5000人以上が参加し、約100万人が訪れる盛岡の一大イベントです。
ホテル紫苑のロビーでは、つなぎ温泉の宿泊者限定で、そのさんさ踊りがほぼ1年中見られるのです。伝統さんさ踊り保存会12団体が日替わりで出演するそう。宿泊者にとっては楽しい「夜のコンテンツ」ですが、「踊り手にとっても発表の機会となり、特に若い後継者にとっては良い刺激となっているようです」と仕掛け人の1人、ホテル紫苑副社長の菊地義基さんは言います。観客動員数は昨年は2万6000人、今年は3万人に到達する見込みだそう。
イベント会場のロビーには、周辺の旅館やホテルからマイクロバスで集まってきた宿泊客の方たち100人以上が開演を待っています。大人気!!
その昔、盛岡城下に現れた鬼を三石神社の神様が退治した際、3つの岩に鬼の手形を押させたのが「岩手」という地名の由来と言われています。鬼の退治を喜んだ里人たちが、岩の周りを「サンサ、サンサ」と踊ったのが「さんさ踊り」の始まりだそうです。とMCがわかりやすく説明してくれました。なるほどなるほど。
公演は20時15分?20時45分の約30分。「さんさ踊り」とはどんなイベントなのか、ドキドキしながら開演時間を迎えました。
太鼓、笛、踊り、すべてがかっこいい! さんさ踊りを見たのは初めてだったのですが、めちゃめちゃ感動! 力強さに圧倒されっぱなしでした。太鼓&踊りだからか、ちょっと沖縄のエイサーに似てるようにも感じました。本物にしか見えないイタチを手に踊るひょっとこからも目が離せず。さんさ踊りの背景や演目についてMCが丁寧に説明してくれるのもありがたい演出でした。
夕食と朝食も旅のお楽しみ…その内容は?
ホテル紫苑の夕食。「鮑の踊り焼き」がおいしかった。ステーキや天ぷらなどのバイキングコーナーもあります。
つなぎ温泉には、チェックインからビールなどの飲み物が飲み放題のオールインクルーシブを導入するホテル紫苑の姉妹館「愛真館」もあります。愛真館には焼肉レストラン「黒ひげ」も入っていて、バイキングの代わりに焼肉と冷麺のコースをプラス料金で選べるそうです。こちらも非常に気になります!
DATA
盛岡つなぎ温泉 ホテル紫苑
住所:岩手県盛岡市繋湯ノ舘74-2
HP:https://www.hotel-shion.com/
アクセス:JR盛岡駅よりタクシーで約25分
ものづくり体験のワンダーランド「盛岡手づくり村」
チェックアウトした後は、「盛岡手づくり村」へ。ここは、南部せんべいや南部鉄器などの工場や工房を集め、地場産品の購入やものづくり体験ができる、盛岡地域地場産業振興センター、盛岡手づくり村、盛岡市で運営する観光スポットです。
手づくり村には、せんべい焼き、冷麺づくり、陶器、陶器絵付、藍染、ドライフラワーリース、はたおり、竹細工といったものづくり体験ができる工房やショップが13工房集まっていますが、買い物目的だけでも楽しめます。今回、私は「盛岡せんべい店」のせんべい焼き体験に挑戦しました。予約は不要で、料金は1枚200円。金土日祝日のみの営業です。
専用の鉄型を 30秒ごとに6回反転するのですが、これが重くてけっこう難しかったです。持ち上げすぎず、手首で返すのがコツだそう。型が思ったより奥側にあるのでつい手前に引きたくなりました。
盛岡せんべい店が扱うせんべいは大きく分けて、伝統的な「南部せんべい」と卵やマーガリンが入ってクッキーに近い「盛岡せんべい」の2種類です。子どもや食べ慣れない人には「盛岡せんべい」のほうが人気とのこと。なお体験で焼くのは「盛岡せんべい」です。
焼きたてのせんべいは軽かったのですが、冷めるとみっちりと固く変化するのが面白い。どっちも好き。
DATA
盛岡手づくり村
住所:岩手県盛岡市繋字尾入野64-102
HP:https://tezukurimura.com/
※営業日は工房によって異なるため、下記で事前に要チェック
https://www.ginga.or.jp/morihand/index.html
アクセス:JR盛岡駅よりバスで約30分、タクシーで約25分
開運橋を眺めつつ「木伏緑地」を散策
ではそろそろ市街地へ戻ります。目指すのは「開運橋」と「木伏緑地」。
盛岡を象徴するという「開運橋」の向こうに見える岩手山、その景色が最高ですと地元の方に伺い、いざ。
木伏緑地とは、2019年に緑地管理と地域活性化のために行政と民間が立ち上げた北上川沿いの帯状の公園を指し、カフェやレストランが並び、イベントが行われることもあるそうです。
DATA
大衆酒場 モツレ 盛岡店
住所:岩手県盛岡市盛岡駅前通11-11 木伏緑地
HP:https://www.instagram.com/motsure_morioka_kippushi/
アクセス:JR盛岡駅より徒歩5分
御所湖に癒され、「さんさ踊り」にしびれた夜
盛岡を代表する伝統芸能でありながら8月のパレード以外に見ることも踊ることもできないという現状を変えた、つなぎ温泉のさんさ踊り常設公演の取り組みは本当に素晴らしいと思います。つなぎ温泉に泊まって至近距離で座ってさんさ踊りを見る──。最高の贅沢ではないでしょうか。
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