2026年10月竣工予定、安城市にシーホース三河の新ホームアリーナがやってくる

ドローンサッカー実施も!? アリーナの使い方に議論百出「つながる!ワークショップ」が開催!

2023年09月08日 10時00分更新

文● 初野 正和
提供: 安城市

約20名の市民が参加し、アリーナの使い方について意見交換を実施した

 B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「シーホース三河」の新しいホームアリーナ誕生に向けて、愛知県安城市ではさまざまな取り組みが行われている。8月20日(日)には、シーホース三河株式会社と安城市の共催で「つながる!ワークショップ」が安城市中心市街地拠点施設アンフォーレで開催された。

 シーホース三河の佐古賢一シニアプロデューサーも駆けつけ、地元で活躍するコーディネータと一緒に参加者がアリーナの使い方について意見交換を実施。ドローンサッカーの実施、ビールフェスやラーメンフェスなどのグルメイベント、子どもが騒げる映画館など、多くのアイデアが出てきた。

株式会社アイシンとシーホース三河株式会社によるプレスリリースで明らかになった、アリーナの外観イメージ

老若男女が活発に意見交換! みんなでアリーナの使い方を考える!

 愛知県安城市では、株式会社アイシンとシーホース三河株式会社による三河安城交流拠点(以降はアリーナと表記)の建設が計画されている。現在、発表されている情報によると、建設予定地は愛知県安城市三河安城町1丁目11番地2で、JR三河安城駅から徒歩数分の場所となる。竣工時期は2026年10月を予定。観客席数は約5,000席で、シーホース三河のホームアリーナとして使用するほか、自在に入れ替えが可能な外周部分は、店舗や交流の場としての利用も可能とのこと。

ざっくばらんに発言できるワールドカフェ形式のワークショップとして開催

 今回の「つながる!ワークショップ」には、このアリーナの使い方について興味を持つ約20人の老若男女が参加した。約2時間のワークショップでは、名古屋産業大学の今永典秀さん、Café&delica NEJIの村澤有紀子さん、ママさんバンド フルーツキッズおよび寺子屋『Dear。。。』の渡邉裕子さん、株式会社夢花の代表を務める都筑拓さんの4人がコーディネーターとなって4つのグループを作り、コンコースなどの使い方についてざっくばらんに意見を出し合った。

参加者と交流を図る佐古シニアプロデューサー

 佐古シニアプロデューサーも、各グループのアイデアをヒアリング。「前回、中学生を対象にしたワークショップにも参加させていただきましたが、今日も皆さんのさまざまな意見が聞けて本当に楽しかったです。地域のブラスバンドなどと協力して、安城市全体のフェスなどもできそうですね。コンコースを使ったDIY教室なども実現できたら面白そう。教えたいとか習いたいとか、いろいろなニーズがあると思うんです。モノづくりが盛んな地域ですし、大きな可能性を感じました」(佐古シニアプロデューサー)

4つのグループに分かれてアイデアを出し合った

VIPルームの使い方やメインアリーナの使い方など、テーマごとに意見を出し合った

たくさんのアイデアが集まっていく

議論百出!みんなのアイデアを大紹介

 イベントの最後に4人のコーディネーターが代表して、みんなから集められたアイデアを発表した。ここではいくつか抜粋して紹介する。

  • 「選手のロッカールームの見学会」
  • 「フリーマーケットの会場で利用したい」
  • 「解説を聞きながら試合観戦できるサービスを実現できないか。ぜひ佐古さんに解説をやってほしい!」
  • 「モノづくりの好きな人が多いので、DIYの自由工作スペースがあればうれしい」
  • 「アイドルイベントやクラシックなどの音楽イベントを開催したい」
  • 「犬を連れて遊びに来られるスペースがほしい」
  • 「ビールフェスやラーメンフェスなどのグルメイベント」
  • 「ミーティングルームを中学生の部活の練習で利用できないか」
  • 「eスポーツの大会や体験ができないか」
  • 「ドローンを使える場所がほしい」
  • 「子どもが声を出しても問題ない騒げる映画館として」
  • 「地域の運動会に利用できないか」
  • 「安城七夕まつりのサテライト会場としての活用」
  • 「近隣の小中学校を対象とした避難訓練の練習場として」
  • 「AIなどのテクノロジーを活用したサービスを提供できないか」
  • 「ドローンサッカーを開催したい」

 他にもたくさんの意見が挙がっていて、どれも実現できそうなものばかり。今回はあくまでアリーナを考えてもらうきっかけづくりや、つながりづくりの場となっており、10月からスタート予定のワークショップでは、さらに踏み込んで企画を立案し、ブラッシュアップさせながら実現に向けて動いていくことになる。

イベントの最後に集まったアイデアをコーディネーターが代表して紹介

数にすると200近くのアイデアが集まった

和気あいあいとした雰囲気の中で発表は行われた

シーホース三河でアリーナプロジェクトを担当する、堀江隆治アリーナ準備室室長は「やろうと思えば全部できます。みなさんが主体的になって実現させてほしい」と話す

手応えを得たワークショップ
今後の課題は活動を認知してもらうこと

 ワークショップを終えて、4人のコーディネーターおよび、当日の司会進行を務めたpitchFMの勅使河原正直さんに話をうかがった。まず、全員が口をそろえたのが、参加者の幅広さと積極性に驚いたこと。

司会進行を務めたpitchFMの勅使河原さん

 「正直、既定路線というか、線路の上を走っていくような感じで進むのかなと思っていた部分があったんですよ。でも、子どもから年配の方まで、幅広い世代の方々が参加して、自由に意見を述べていました。それが良かったですね」(勅使河原さん)

ママさんバンド フルーツキッズ、寺子屋『Dear。。。』の渡邉さん

 「子どもに向けたイベントを企画としたいという声から、スポーツを愛する人たちの声まで、いろいろな意見をいただきました。メンバーによってニーズも変わりますし、考えさせられる時間でしたね」(渡邉さん)

名古屋産業大学の今永さん

 「コーディネーターとしてグループをまとめる必要がないくらいでした。自由かつ活発に意見が出て、2時間のワークショップもあっという間。アリーナができるのがさらに楽しみになりました」(今永さん)

株式会社夢花の代表を務める都筑さん

 「特定の分野に詳しい方が多い印象を受けました。そのため、パーソナルに偏った意見が多いかなと少し心配していたんですけど、これから利用する方々のことを考えた幅広いアイデアが出てきて驚きました。それが意外で楽しい時間でしたね」(都筑さん)

Café&delica NEJIの村澤さん

 今後の課題としては、もっと多くの方々に参加してもらい、この活動を認知してもらうことだろう。村澤さんは「非常に楽しかった」と話しつつ、「まだまだこのワークショップが知られていないと感じますし、それがもったいなくて残念」と振り返る。

 今回のワークショップについて、安城市役所の前田晃佑係長はこのように総括した。「想定以上に盛り上がったと感じました。家族連れの方にも参加いただきましたし、私たちが思っている以上にアリーナへの関心が生まれていると感じます。アリーナができる前に、アリーナのことを考える機会はあまりないと思います。今後の課題は、こうした取り組みが行われていることを皆さんに知っていただくことですね。今回、参加していただいた方々にも外に向けて発信していただき、みんなでアリーナの使い方について考えていけたらと思います」(前田係長)

巨大なコンコースや拡張できるデザインなど
徐々に新アリーナの全貌が明らかに!

 この日は、シーホース三河のアリーナ準備室室長/マーケティンググループグループリーダーを務める、堀江隆治室長からアリーナ計画の背景や最新の情報なども紹介された。B.LEAGUEが設立されたのは7年ほど前になるが、堀江室長の話によれば、その頃からすでにアリーナ計画の構想があったそう。

プロ野球のスタジアム建設などにも関わったキャリアを持つ堀江室長

 「バスケットボールの試合と音楽などのコンサートで使用しても年間60日ほど。では、残りの300日はどうするのか?当時からこうしたアリーナの使い方が課題として挙げられていました。そこで、シーホース三河のホームゲームだけでなく、いろいろなニーズに応えられる多目的交流拠点を目指すことにしました。それを私たちはプラットフォームと位置づけ、どうやったらプラットフォームになれるのかが次のステップでした。設計会社の担当チームと話し合いを重ね、アメリカに飛び、さまざまな施設を見学したり、課題をヒアリングしたりしました。すると、午前中は地元の子どもたちの大会、午後はプロバスケの試合、夜はホッケーの試合など、1年で650回も使われる施設もあるわけです。安城市の方々とも議論を重ね、そうした場所になることを目指して計画を進めてきました」(堀江室長)

 アリーナプロジェクトに関わるメンバーを中心に、さまざまな検討を重ね、現在のイメージが徐々に固まっていったそう。アリーナのデザインは特徴的で、四角形のユニットを加えることで、外側に施設を拡張できるような仕様になるという。また、コンコース(アリーナ内の通路)を歩いて建物を一周できるようになっており、コンコースは幅6m長さ80mもあるとか。これだけのスペースがあれば、コンコースに露店やワークショップを出店することもできる。会議室などフリースペースも多く、研修や講習会の開催など、ビジネスシーンでの利用もできそうだ。

 無限大の可能性を秘めたアリーナをどのように使っていくのか、それをみんなで考えて実現に向けて行動していくのが、このワークショップになる。

 「つかい方ワークショップ」は、10月14日(土)から第1回として本格的にスタートする。2024年2月まで全5回のワークショップを予定していて、それに続く3月には「つかい方フォーラム」として、みんなでまとめたアイデアを発表することになっている。今後のワークショップにも、4人のコーディネーターはもちろん、シーホース三河の佐古シニアプロデューサーやpitchFMの勅使河原さんなども参加予定。アリーナのことを考えて、みんなでまちづくりを楽しめる貴重な機会なので、少しでも興味がある方はワークショップに参加してほしい。

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