シーホース三河によるバスケクリニック、新アリーナを考えるワークショップ

「今日はあだ名で呼んで!」安城市の中学生が「シーホース三河」の新アリーナについて考えるバスケクリニック&ワークショップを開催

2023年09月04日 10時00分更新

文● 初野 正和
提供: 安城市

2026年、愛知県安城市に誕生する予定の新アリーナ。このアリーナについて考えるきっかけ作りとなるバスケクリニック&ワークショップが開催された

 B.LEAGUE所属のプロバスケットボールチーム「シーホース三河」の新しいホームアリーナ誕生に向けて愛知県安城市では、安城市に在住、在学、在勤の方と一緒にこの「三河安城交流拠点」(以下、アリーナ)を盛り上げていこうと、さまざまな取り組みが行われている。8月9日(水)には、バスケクリニックとワークショップがセットになった「シーホース三河のバスケクリニック」が安城市の東祥アリーナ安城で開催された。中学1〜2年生の男女を対象にしたバスケクリニックで、クリニック後に新しいホームアリーナについて考えるワークショップが実施され、子どもたちが活発に意見を出し合った。ここでは当日の模様を紹介していく。

「今日はあだ名で呼んで!」
プロと触れ合う機会を楽しむ子どもたち

 申し込み数が多く、早々に応募終了となった「シーホース三河のバスケクリニック」。東祥アリーナ安城には、大勢の子どもたちと保護者が駆けつけた。今回のクリニックには、シーホース三河の卜部兼慎選手、佐古賢一シニアプロデューサー、大久保愛樹アシスタントコーチが参加。冒頭の挨拶で3人とも「今日はバスケットボールを楽しんでほしい」ことを伝え、子どもたちもリラックスした雰囲気に。約1時間行われたクリニックでは、バスケットボールの基本的な姿勢から始まり、異なるリズムで体を動かすトレーニングや、プロも実践するドリブルのワークドリルなどの指導が行われた。

子どもたちの前に登場するシーホース三河の3名

シーホース三河の佐古賢一シニアプロデューサー

わかりやすい説明でクリニックを盛り上げた大久保愛樹アシスタントコーチ(左)と今シーズンよりシーホース三河に加入した卜部兼慎選手(右)

リラックスした表情で説明に耳を傾ける子どもたち

 佐古シニアプロデューサーは「僕たちのことをアイキ(大久保)、ケンシン(卜部)、ケンちゃん(佐古)と呼んで」と言い、子どもたちも気兼ねなく質問。難しい練習がありつつも、最初から最後までバスケットを楽しんでもらうことに重きを置いた内容で、子どもたちの笑顔があふれる時間となった。

楽しいことをやっていると感じ、
体作りの大切さを知ってほしい

 大久保アシスタントコーチは「僕自身、たくさんのクリニックに参加していて、今年だけで10回以上は参加したと思います。クリニックで大切にしているテーマは2つあります。1つ目は、子どもたちがバスケットを続けていく中で『楽しいことをやっている』と感じてほしいこと。バスケはコートの中で行うゲームで、そこにはルールがあったり、友達がいたりします。チームプレーを学んでゲームをとことん楽しんでほしいと思っています。2つ目は『体作りの大切さを知ってほしい』ということです。体を作るのはウェイトトレーニングだけではありません。どのような体の使い方を覚えたらバスケが上達するのか、そうしたことをクリニックで学んでほしいと思っています」。

普段はやらないような体の使い方などについて指導する卜部選手

子どもたちと同じ目線になって指導する佐古シニアプロデューサー

遊びのような感覚で楽しめる練習が多く、子どもたちも笑顔を見せた

アリーナについて子どもたちが考える
「きっかけ作り」のために

 クリニックを終えた後は、株式会社アイシンとシーホース三河株式会社が建設を計画している「三河安城交流拠点(アリーナ)」について、どのような活用方法があるのか、実際にどんなことをしてみたいのか、みんなで考えるワークショップを実施。卜部選手、佐古シニアプロデューサー、大久保アシスタントコーチも参加し、アリーナ活用のアイデアについて、質問コーナーなども織り交ぜながら楽しく意見を出し合った。

安城市役所の職員も参加してワークショップは行われた

 ワークショップの冒頭では、シーホース三河の鈴木秀臣シニアアドバイザーが登場し、スクリーンを使ってアリーナの最新情報を紹介。8月10日(木)に発表されたプレスリリースなどの情報も併せると、建設予定地は愛知県安城市三河安城町1丁目11番地2の「アイシン安城工場跡地」(工場は来年移転予定)で、JR東海道本線の三河安城駅からも東海道新幹線の三河安城駅からも徒歩数分と交通の便のよい場所となる。竣工時期は2026年10月を予定。観客席数は約5,000席で、シーホース三河のホームアリーナとして使用するほか、自在に入れ替えが可能な外周部分は、店舗や交流の場としての利用も可能とのこと。なお、このアリーナは「多目的交流拠点」と呼ばれていたが、今後は「三河安城交流拠点」となる。

新しいアリーナについて紹介するシーホース三河の鈴木秀臣シニアアドバイザー

子どもたちとの楽しい質問コーナーも開催

 安城市では、アリーナの誕生を「ジブンゴト」として考えてもらうきっかけを作り、まちづくりにつなげていこうとさまざまな取り組みを行っている。今回のワークショップも回答を出すことが目的ではなく、子どもたちが話し合いを通して「ジブンゴト」として考えてもらうきっかけ作りを軸に置いている。

アリーナでやってみたい! ユニークなアイデアがたくさん

 ワークショップでは、子どもたちが複数のグループに分かれて、自分のやってみたいことを用紙に記入した。「あれがいい」「これが好き」と話し合う子どもたち。固定観念にとらわれない子どもたちの自由な発想が披露され、「流しそうめんをしたい」「カラオケをしたい」「鬼ごっこをしたい」など、ユニークなアイデアがたくさん挙がった。

真剣に、ときには冗談も言いながらアリーナでやってみたいことについて話し合う子どもたち

佐古シニアプロデューサーも積極的に子どもたちの話し合いの場に参加

グループごとにキットが配られて、それぞれが自由に記入していった

卜部選手らが
個人的に気になったものに「イイネ!」

 その後、グループの代表者がみんなの前に立ち、自分のアイデアを発表。その中から個人的に気になったものを卜部選手、佐古シニアプロデューサー、大久保アシスタントコーチがそれぞれ選ぶことに。卜部選手は「カラオケやゲームなど」、佐古シニアプロデューサーは「できるかできないかは別として花火を見たい」、大久保アシスタントコーチは「個人的に魚が好きだから、さんまの食べ放題」を選出。最後に記念写真を撮影して当日のイベントは終了となった。

ワークショップの最後には代表者が前に立って自分のアイデアを発表

常識にとらわれないさまざまなアイデアが寄せられた

「イイネ!」が付いた、中学生の考えたアリーナでやってみたいこと3つを紹介!

卜部選手は「カラオケやゲームなど」をイイネ!

「めちゃ大きい花火」をイイネ!は佐古シニアプロデューサー

大久保アシスタントコーチがイイネ!したサンマ食べ放題

チームスタッフも選手も
ワクワクしているホームアリーナ計画

 クリニックとワークショップを終えて、卜部選手と大久保アシスタントコーチに話をうかがった。まずはホームアリーナ計画について聞くと、大久保アシスタントコーチは「僕たちの仕事は、バスケットボールを通して多くの方々と夢や感動を共有すること。自分たちのプレーで何千人の方々が泣いたり笑ったり叫んだり…そうしたことを共有できる貴重な仕事だと思っています。大人数が収容可能なホームアリーナが完成することで、より大勢の方々と夢や感動の瞬間を共有できるようになります。それはチームスタッフにとってもワクワクすることですし、良い意味でプレッシャーもありますね」と話す。

すべてのイベントを終えて笑顔を見せる3人

 卜部選手は安城市をホームに置くバスケチームに所属していたこともあり、安城市には特別な思い入れがあるそう。「今日、参加させてもらった体育館で試合をしたことがありますし、すぐ近くに住んでいた時期もあるんですよ。『安城七夕まつり』が代表的だと思いますが、市と市民が一緒になって盛り上げようとする雰囲気を感じる町ですね。

 アリーナについては、何千人も入場できる空間ですから本当にワクワクしています。選手にとってファンの存在は非常に大きいです。昨シーズン、アウェー戦で立ち見が出るほどの満員のアリーナで試合があったんですけど、そんな雰囲気でプレーするのはすごいプレッシャーです。これが逆になると、これほど頼もしいことはありません。ファンの声援が力になると話す選手は多いと思いますが、それは本当なんですよね。新しいアリーナで、素晴らしい雰囲気の中でプレーしたいですね」。

 ワークショップについては「貴重な時間でした」と振り返る卜部選手。「クリニックに参加することは多いですが、今日のようなワークショップと組み合わさった内容は初めて経験しました。ワークショップでも子どもたちと触れ合うことができて、とても有意義な時間でしたね。アリーナができることは知っていても、そこで何ができるのか考えたことがなかった子どもたちもいたと思います。ですから、今日のイベントは一つのきっかけになったのではないでしょうか。完成予定地がアクセス抜群の場所ですし、サブアリーナやコンコースを利用して同窓会がやれたら面白そうですね。成人式もいいかもしれません。新しいアリーナなら参加する方々も嬉しいと思いますし、シーホース三河のことを知ってもらえる機会にもなると思います」(卜部選手)。

 「今日は子どもたちがたくさん話し合ってくれて、僕も『秋祭りをやりたい』なんてアイデアを出させてもらいました。アリーナの詳細はまだ僕たちもわかっていませんが、子どもから大人まで参加できるようなイベントが開催できたらと思っています。あと、アリーナ完成は2026年予定ですから、先のことのように思っている方々がいるかもしれません。

 でも、チームスタッフとしては目の前のことだと感じていて、上のカテゴリー(※)にいなければいけないですし、正直なところ危機感があるくらい。今年はチーム体制が変わった1年目なので、まずはベースをしっかり作って、来年チャレンジして…と考えると、あっという間かと。時間はあるようでないように思っています」(大久保アシスタントコーチ)。
※「B.LEAGUE PREMIER」は、2026年から始まる予定のB.LEAGUEのトップカテゴリー

これからも続く、
市民と共にアリーナを中心としたまちづくりのプロジェクト

 大久保アシスタントコーチが話すように、2026年はおそらくあっという間にやってくる。それまでにどんな準備ができるのか、どんなアリーナになっていってほしいのか、安城市では市民と共にアリーナを中心としたまちづくりに取り組んでいる。

 アリーナの使い方について考えるこのプロジェクト。今回は2回目にあたり、8月20日(日)のワークショップを経て、10月14日(土)からいよいよ本格的にスタートする。10月14日(土)を第1回として、2024年2月までに土日を中心に全5回の開催を予定している。今後のワークショップには、シーホース三河の佐古シニアプロデューサーのほか、pitchFMの勅使河原正直さん、日本福祉大学の吉村輝彦教授、愛知学院大学の内藤正和准教授なども参加予定。アリーナのことを考えて、みんなでまちづくりを楽しめる貴重な機会なので、少しでも興味がある方はワークショップに参加してみよう!

(提供:安城市)

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